26

15/22
前へ
/36ページ
次へ
「はあ」 男が私の体中をうっとりしながら触る。 「郵便受け、鍵してないから心配でいつもチェックしてあげてたんですよ。 夜も遅いから、あなたが誰かに襲われないように毎日確認してました。 泉さん、1人暮らしで危険だから。 ホント、気を付けないと……」 「っくっ……」 嫌。 気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪いっ! 「……っ」 でも私は分かっている。 こんなに怖がりながらも、こんなに助けを求めながらも、本当は分かっている。 ドラマみたいに映画みたいにマンガみたいに、そんな都合よくヒーローが助けには来てくれるはずがないってこと。 1人暮らしの隙のある女。 分かっていながらも用心を怠った女。 そんなの自分が悪い。 自業自得だ。 自分で自分を守れずに、なんで1人暮らしなんてできるんだ。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3178人が本棚に入れています
本棚に追加