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「やっ、いやあああああ」 やっと声が出る。 死ぬ気で抵抗する。 玄関脇にある傘立てを倒し、バタバタした手で傘を探り当てる。 ――あった! これで……。 ガゴッ! 「うぐっ」 思い切り手を振り下ろし、その傘を男の背中に打ちつける。 何度も何度も。 「ってぇ! このアマ」 バンッ! 上半身を起こした男に思い切り平手打ちをされる。 「――っっ!」 口の中に広がる鉄の味。 頭の中がチカチカして意識を手放しかける。
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