3178人が本棚に入れています
本棚に追加
ガッ！
ガッ！
「うぅっ！
うぐっ！」
鈍い重たい音が何度も響き、その度に男のうめき声が聞こえる。
私は恐怖で未だ動けずに、横たわったまま、自分の足がつっかえて少し開いている玄関扉の隙間を、ただ、見ていた。
震えが止まらない。
「……」
外から尚も聞こえる鈍い音。
おそらく男を蹴りまくっている音。
そんなに蹴ったら……、ヤバいんじゃ……。
そんな中、遠くから走ってくるような足音が近付いてくるのに気付いた。
「泉っ！」
え？
なんで？
最初のコメントを投稿しよう！