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圭太? 圭太の声……。 少し緊張が緩む。 バンッ、と扉が開き、圭太がパーカーにジャージ姿で私の視界に飛び込んできた。 その時見えた。 開かれた玄関扉の隙間から見えた。 蹴られ過ぎてだらりと意識を失って倒れる男の姿と、 その傍らの……スーツの足。 次の瞬間にはバタンとドアが閉まった。 私も足を引っこめたので、しっかりと閉まった。 「よかった。 泉」 圭太は私の両肩を掴んだかと思うと、思い切り抱き締めた。
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