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似たようなスーツなんて数知れずあるし、人知れず着ている。 帰宅時にたまたま通りがかった同じマンションの人だったのかもしれないし、私の叫びを聞いて駆けつけてくれた人だったのかもしれない。 でも、私の頭の中では1人の人物がずっとグルグルしていて、もはや確信として脳に記録されつつあった。 「……」 ……時峰。 ……だったんだろうか。 だとしたら、何故、都合よくあの場所に現れたんだろうか。 だとしたら、何故、助けるだけ助けて、姿を消したんだろうか。 仮定なのに、そこからどんどん考えが想いが発展していって、収集がつかないほど私を悩ませる。
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