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水曜日は、私が唯一心から笑える曜日だった。 私が唯一心から泣ける曜日だった。 私が唯一心から呼吸できる曜日だった。 時峰。 時峰……。 時峰時峰時峰っ……。 「あーーーーーーっ!!」 ……ああ、私は変わっていない。 この約1年。 私は他の誰の前でも、本気で泣けなかった。 私は他の誰の前でも、本気で笑えなかった。 合コンなんかに行ったって、恋愛できるはずがない。 当たり前だ。 ただ、見ないふりをしていただけで。 私は一歩も動けていない。 進めてなんかいない。 上手く呼吸が、出来ていない。 あのまま、あの観覧車の中に気持ちを置き去りにしたまま、グルグルグルグル、同じ場所をひたすら、ただひたすら回っているばかり。
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