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日本に戻る2週間前。 ユキに話を持ちかけた。 「他に好きな人がいる」 と。 自分でも驚くくらいストレートに伝えた。 今まで悩んでいたのが嘘みたいに。 ユキは表情を変えなかった。 「あの、隣の人?」 って、ソファで足を組みながら、サラリと言った。 「ん」 と言って、目で頷いた。 すくっと立ち上がったユキ。 パンッ! 思い切りビンタされた。 「……」 立ったままの俺は、叩かれた顔をそのままに、 「ごめん」 とだけ言った。 しばらく向かい合わせで視線を逸らさずに互いを直視する。 そしてユキはまた、ソファに座った。
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