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「授業で俺を心地良く眠りにいざなうその美声が、あの頃から好きだったんだよ。 多分」 「今ソレ言うと、言い訳にしか聞こえないんだけど」 「はは。 そりゃそうだ」 時峰は笑った。 本当のことは分からない。 でも、なんだか、今更もうどうでもいいことなのかもしれないな、と思えてきた。 幸せホルモンてのはすごいな。 ホント……。 「あと、もう一個。 質問」 「……何?」 「センセの下の名前何ていうの?」 「なんで?」 「綾川先生ってしか知らないから」 確かに、生徒には下の名前教えないことになってたし。 今まで下の名前で呼び合うことも無かったし。
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