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「時峰君、性格悪い」
絶対、明日水野さんにいろいろ聞かれる。
どういう関係なのかって。
「なんで?
さっさと言えばいいじゃん。
私の彼氏ですって」
「言えないよ。
年下の元教え子なんて、恥ずかしくて」
「ふーん……」
時峰はそこから無言で車を走らせた。
言ってから、しまった、と思った。
思ったところで撤回して謝ることのできない、この可愛げの無さ。
我ながら、本当に素直じゃない、と思う。
沈黙に耐えかね、私は、
「今日、なんでスーツなの?」
と聞いてみた。
「明後日から仕事だし、いろいろ準備しに会社に行ってきた」
無表情で答える時峰。
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