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不思議だ。 この歳になって、この緊張感。 初めての彼氏みたいな、ドキドキ感。 ぎゅっ……。 「……」 時峰が、ふいに握った私の手に気付く。 ちらっと見たけれど、取り立てて何か言うでもなく、そのままエレベーターに乗り、8階に着いた。 ガチャ。 バタン。 803号室の扉を閉めた途端。 先に入った時峰がぐるっと振り返り、繋いでいた手を自分にぐいっと寄せ、私をぎゅっと抱き締めた。 「わっ」 びっくりしたー……。 「あーー。 もう。 やだ。 絶対俺の方がハマるし。 つーか、ハマってるし……」
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