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彼は帽子を外すと壁に寄りかかり空を見上げため息を吐きつつ呟く。
「もうじき冬か、1年が過ぎ去るのも……早いものだな」
そう呟きながら空を眺めていると、男は誰かから声をかけられる。
「――……おじさん……お顔真っ白ね?」
「っ」
男は話しかけられ咄嗟にその方を見る、そこに居たのは、男の事を珍しそうにジッと見上げている一人の小さな少女であった。
そんな少女を見て慌てて男は帽子を被り顔を隠そうとする。
「どうして隠しちゃうの?」
少女は男の服の裾を引っ張り言う、男は驚いたように少女と同じ目線になり言う。
「……私が怖くは無いのかい?」
そう少女に聞くと、少女は首を傾げながらニコニコと笑い言う。
「怖くないよ?はは、変なお顔っ」
そう言い少女は男の頬をぺたぺたと撫でながら笑う、そんな少女に男は言った。
「驚いたな……この顔を見て驚かない子供なんて初めて出会ったよ、君、名前は……?」
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