愛しのぽっちゃりさん 第5話

ジレンマ

リビングのテーブルに次々と倉田が並べてくれる料理はどれを見ても美味そうだ。

「さて、じゃー飲みますか！まずはビールでいいですか？」

ニカっと微笑んで言う倉田に俺も微笑んで頷く。

キンキンに冷やしたグラスに注いだビールはさすがの酒豪、準備がいいなと感心した。

「乾杯！」

お互いに一気にゴクゴクと飲んで、思わずプハーッなんてベタな行動をしてしまった。

「今日のモツ煮は自信作ですよ、食べてみて下さい」

自慢げに言った倉田が勧めてくれて、俺はモツ煮に箸を伸ばした。

麹味噌をベースに赤味噌と白味噌が絶妙にブレンドされていて、
しっかりとニンニクのパンチを効かせたトロトロのモツに自然と顔がほころんで行く。

「美味い！」

俺の褒め言葉に倉田の顔が一気にキラキラと輝いた。

…ヤバイんですけど、その笑顔。