ジレンマ

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先週末の飲み会に行かなかった事で、変な心配してると嫌だし…と思って俺は仕事上がりに智也の店へと向かう。 ドアを開けると同時にいつも通りの智也が笑う。 「隼人、いらっしゃい」 「週末は来れなくて悪かったな」 「ハハ…何かあったのか?」 「ああ、とんでもない事が起きてたよ」 ため息をついた俺に智也は黙ってギムレットを差し出した。 俺が酔いたい気分だって、悟ってくれたチョイスなんだろう。 「何があったんだよ?」 「…澪が…来年の3月までウチに出向で来る事になった」 「は?澪って隼人の元カノの?」 「そ…。つーかもう今日から来てんだよ。倉田のサポートに入ってる」 「マジか…それはやりにくいな」 「全くだよ。澪も何考えてんだか…」 ふーっと再びため息をついた俺に智也は小さく笑う。 「で、倉田さんとは少しは進展したのか?」 「はっ?」 「好きなんだろ?お前見てりゃ分かるよ」 そう言ってグラスを磨きながら智也はやんわりと微笑んだ。  
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