ジレンマ

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「だけど、昨日部長を家に呼んだなんて美穂、一言も私に話さなかったですよ? 美穂が私に隠し事するなんて初めて」 ジントニックに口をつけながら言う柏木と同じように、俺も不思議に感じてたけど。 「よっぽど話したくねーくらい、嫌だったんだろ」 そう言ってギムレットを一気飲みした。 「そーかな?なんか違う気がするけど…ね、智也さん」 ニマニマ笑って言う柏木にニコリと微笑む智也。 …なんか…イラつくこいつら。 「俺、帰るわ」 「あーあ、隼人拗ねちゃった」 智也の言葉に柏木がクスクス笑ってる。 「じゃーな、バカップル。 柏木、明日遅刻すんなよ」 捨て台詞を吐いて俺は智也の店を出た。
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