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ようやくお開きになって、同じ方向の工藤と椎名がタクシーに乗って帰った途端。
「部長、これから私たちは智也さんの店行きますけど…部長どうします?」
俺に聞いて来た柏木。
だけど柏木の隣でやっぱり俺と視線を合わせようとしない倉田の姿に、気まずい空気が流れてる。
「ああ…俺は今日はもう帰るよ…」
そう言わざるを得ない雰囲気だった。
「分かりました。じゃ、岸本さん、良かったら一緒に行きませんか?」
当然のように澪も誘う柏木に俺は一瞬焦った。
澪は智也と面識があるから、それはちょっと気まずい…。
「んー…私はこの後、BLUE STYLEの仲間と待ち合わせてるから、また今度」
澪の断りの言葉にホッとする俺。
「そうかー…じゃ、部長、岸本さんお疲れ様でした!行こう、美穂」
「うっ…うん…じゃ岸本さんお疲れ様」
柏木に手を引かれて歩き出しながら、俺には一切声を掛けずにチラっとだけ視線を送った倉田。
…いつまで怒ってんの、お前。
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