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「だから、隼人にまた会いたかったの。
あの時は私も仕事が楽しかったし、隼人と別れてもいいやって思ったけど…
結局は隼人を忘れられなかったのかなぁー」
「俺はもうその気は、ねーよ」
「フフッ…好きな子でも出来た?」
笑いながら言う澪に俺は何も答えなかった。
「まぁ折角だから、3月まで楽しませてもらうね」
エレベーターの扉が開くと、澪はカツカツとヒールを鳴らしながら降りてゆっくりと振り返る。
「来週からよろしくね、藤森部長」
ニコリと微笑んで再び背を向け歩き出した澪を、俺はエレベーターから降りないまま見送った。
…どうやら冗談ではないらしい。
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