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『悪の顛末』。
3番目の万能家はそんな二つ名を持っていた。
性別、女。年齢、16歳。黒髪のストレート。首には常に真っ黒いマフラーを巻いていた。顔は端正でクールな印象がある。現在アイルランドの人気の無い土地に身を置いているが、出身国はハッキリとしていない。顔は外人のようにも見えるが、日本人に見えなくもない。
彼女はいつもどこか曖昧だった。そんな適当な生き様でも、彼女にはしっかりとした信念があった。
悪をこの世から抹殺しよう、と。
抹殺、という物騒な単語から誤解されがちだが、彼女はこの世界では比較的に常識は知っている方だ。
挨拶をされれば、挨拶で返すし、親切にされれば、礼を言ったりもする。
ただ自分には敵である悪に対してはとことん容赦が無い少女だった。
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