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ところで、どうしてそんな少女が『悪の顛末』なんて通り名を持つのか?
別に少女が悪党でその成れの果てという訳ではない。正しくは、『彼女に出会った悪の末路は全て同じだ』という意味から来ている。
故に『悪の顛末』。
しかし、そんな恐ろしい呼び名とは裏腹に、実際の彼女は心を開いた人に対して、かなりフレンドリーである。
そして、今日も――
「……色無、遅い。あいつ、私を待たせるなんて……どうしてくれようか」
「オハーッす! 何カリカリしてんの?」
勢い良く木のドアが開けられた――というよりもブチ破っられた。木の破片を払いながら、『悪の顛末』に気さくに喋り掛けたのは、白いTシャツの上に青いオーバーオールを着た15歳ぐらいの少女だった。
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