すべてのはじまり

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「坂下って、音楽って好きだよな。」 「え、うん。大好きだよ。 突然なによ、それがどうかしたの?」 「中学に行ったら一緒に吹奏楽やろう。 お前すごく似合うと思うんだ。 俺もやるからさ、一緒に吹奏楽部入ろうよ。」 「恒優がそう言うなら・・・。 じゃあ約束ね。絶対ね。」 「へへっ!約束!」 私も恒優もまだ小学三年生、 九歳のころの話。 この会話がなければ私たちは ただの同級生のまま、一生を終えていたかも しれない。 あれほど笑ったり泣いたり、 悩んだり想ったりしなかったかも しれない。 ねぇ、恒優。 あなたならどう思う? 私は私たち二人の関係や縁に関してだけは 運命って、あると思うよ。 本当は運命って言葉は嫌いだし 運命なんて信じていないけれど 運命って言葉を使わないと、 私たちの今は言い様が無さそうだもの。 こんな私をあなたはまた笑うんだろう。
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