すべてのはじまり

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演奏会が終わって、恒例の打ち上げで ファミレスに来た。 向かいには恒優が座っていた。 「ねえ」 「何?」 「アドレス、交換しようよ。 私あんたのアドレス消しちゃったの。」 「消すなよ!…赤外線でおくるわ。」 「うん。」 携帯を持つ手は少し震えていた。 ドキドキ、した。 伝わらないよね、 恒優、私今ね、ドキドキしているの。 赤外線で伝わったらどうしよう…。 なんでこんなにドキドキしちゃうんだろう? 好きになってなんか…ないよね。 だって、恒優には彼女がいて…。 「おい!」 「え!あ、ごめん…。ぼーっとしちゃってた。」 「受信おわりましたけど。 何、疲れちゃった?」 「うん、そんなとこ。」 顔が、熱い。 息が、苦しい。 私のドキドキが伝わったのかと思った。 伝わってもいいかな なんて勝手なことも思ったりした。
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