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内容なんてない、自由気ままなメールの
やり取りは数日続いて
その恒優独特の自由さ故に、
思いもよらないタイミングで
私の恋は暴かれた。
「なぁ、そういやお前って
好きな人とかいるの?」
「うん、いるっちゃいるけど…」
いるけど、一度断った人なんだもん。
「誰だよ、俺の知ってる人?」
恒優が、世界中の誰より知ってる人だよ。
「うん。知ってると思うけど。」
でも私意地悪で弱虫だから、言えないの。ごめんね。
「教えろよ、俺らの仲だろ!」
そうだね、私がこの気持ちを言っちゃえばその仲も壊れるのかな。
「意味わからないんだけど。
内緒だよ!言えるわけないじゃん!」
言えるわけないじゃん。叶わないの、わかってるのに。
「わかった。じゃあ明日教えて。」
恒優の身勝手さに疲れたのか呆れたのか
自暴自棄だったのは今でも覚えている。
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