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どうやってここからぬけだそうか。
この公園から…
ふと入口に立ち止まっている男の人をみつける。
会社からの帰りだろうか、ネクタイをゆるめ少し着くずしている。
綺麗
そう思ってつい見つめてしまう。
わたしと目があってもその視線は他を向かず、ただ私にそそがれる。
彼のなにかにひかれるように私は彼に近づいた。
それでもさっきと変わらず目はあったまま。
二人だけになった気分…
だけどそれは今おける状況とあまりに違いすぎて、現実に一瞬にしてつれもどされた。
どうにかしなくちゃ。
「すみません、協力してください。」
彼の返事も聞かず、腕を絡ませ、和馬くんにむきあった。
「この人だよ。」
じっと黙って横にいる彼に感謝したい。
彼でなかったら少しぐらい動揺してしまってもおかしくないじょうきょうだったから。
「和馬くんと話したあと会う約束をしてたの。」
どこか冷静になったわたしと裏腹に、和馬くんはさっきよりも複雑な顔をしていた。
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