第1章 別れと出会い。

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時間が近づくとだんだんドキドキしてくる。 久しぶりに会うからだろうか、自分が思うよりもうれしいんだろうな。 いつもより少しはやい胸の鼓動につられて、公園までの足はこびが心なしかはやくなる。 公園の大きな木が見えたとき私は走り始めた。 約束の時間にはまだ早い。 彼がいないのは知っているけれど、あのブランコで彼がくるのを待ちたいから1秒でもはやくつきたかったんだ。 入り口のポールを掴んで勢いよく方向転換! した瞬間走っていたはずの私の脚は急ブレーキをかけた。 理由は… 彼と私じゃない女のキスシーン。 脚と一緒に、体も、息も、思考も、心臓さえも止まってしまったようだった。
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