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ゴッ!
鈍い音が顔に響いて私は自分の顔が砕けたと思った。
頬に触ると顔は砕けていないけど口の中に違和感がある。歯が折れてる。
「お前だろ!? お前がやったんだろ? 何かしたんだろ? ホントの事言えよ! 何で椿が死ななきゃいけねーんだよ! 死ぬならお前が死ね!」
全国紙の一面を飾った椿の死から、二週間。
私はコウがたまにレコードを回すらしいクラブの裏口に呼びつけられた。
コウの左の肩には最近入れたばかりの椿の花のタトゥーが痛々しく咲いている。
椿の花の下に入れられている数字を見て私はほくそ笑む。
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