Chapter 1

22/27
前へ
/246ページ
次へ
俺は香織に向き合う様に、床に膝立ちして目線を合わせると 「えっ、肩からじゃないの?」 「肩じゃないよ…。」 俺は香織を抱き締めた。 「志信…さん?」 ちょっと驚いてる君に 「はぁ…安心する。」 「安心…?」 抱き締める腕に、少し力を入れる。 「香織と同棲始めてから、ずっと一緒だったから、入院してる時、寂しくて仕方なかったよ。」 「志信…。寂しい思いさせてごめんね。」 香織の腕にも、力が入った。 「本当に!待ちに待って、やっとラブラブ出来たのに、今度はまた2ヶ月お預けだもん!」 「ご、ごめんね!」 本気で焦ってる香織が、可愛くて仕方ない。 「香織は…悪くないよ…。一人の命救ったんだから…。」 「えっ…そうかな…。」 「うん…でも…俺は狂いそうだった。」 「あっ…。」  身体を少し離して、切なく瞳を見詰める。 「生きててくれて…本当に良かった…。」
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1169人が本棚に入れています
本棚に追加