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シートにもたれながら、隣の倉田に視線を送ると彼女はポロポロと涙を零している。
俺に泣いてる場合じゃないぞと言われたから、ずっと我慢していたんだろう。
「良かったな、倉田。もう大丈夫だ、良く頑張ったな」
泣きながら俺の顔を見つめた倉田の頭を、クシャクシャっと撫でてやる。
「部長…ホントに…ごめんなさい…」
「もーいいよ。俺にも責任あるんだから気にするな。
槙田も心配してるだろーから、ちょっと連絡入れるな」
倉田にそう言ってから、俺は槙田に電話をかけた。
「あ、俺だけど。
無事20個集まったから…明日俺と倉田で梱包かけて発送しておくって矢崎に伝えておいて。
槙田もホントありがとな。今度お礼するから…うん、お疲れ」
電話の向こうで槙田が
『倉田部長を元気にしてあげて下さいね』
と笑いながら言ってくれて、少しホッとした。
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