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「さてと…倉田、腹減ったろ?メシ食いに行くか」
俺の言葉に倉田が俯いてた顔を上げる。
「お前が一番元気になれるのは何か食ってる時だろ?」
微笑んで言う俺の顔をじーっと見つめたまま、また涙を溢れさせた倉田がポツリと言った。
「部長は…何でそんなに優しくするんですか…?」
「は?」
「岸本さんがいるのに…
…部長をどんどん好きになっちゃうじゃないですか…」
…え?
それって……。
両手で顔を覆って下を向いてしまった倉田。
ポカンとしてた俺は、その姿でハッとする。
…そっか。
そうだよな。
俺はふーっと息を吐いてから、ゆっくりと手を伸ばす。
今度こそ…きちんと伝えてあげなくては、と。
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