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すっかり陽の落ちた薄暗い車の中…。
俺は愛しいぽっちゃりした体を優しく包み込んだ。
じっと俺を見上げる涙でいっぱいの倉田の瞳を、俺もじっと見つめ返す。
「…岸本の事はな、お前の勘違い。
アイツは確かに元カノだけど…アイツにはもう俺じゃない大切な人がいる。それに、俺もアイツの事はとっくに終わってる。
俺が好きなのはな…もうずっと前から…お前だ。
太田に言った言葉も本気で俺の女だと思いながら言った。
…あの時お前は演技としか受け止めてくれなかったけどな。
好きだから抱きしめた。
好きだからキスした。
信じてくれる?」
「…嘘…ですよね?」
ピクピク体ごと引きつらせ、動揺しながら言う倉田に俺は深くため息をついて、もう一度口を開いた。
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