君がくれたもの

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その夜、母に訊ねた。 陽を見ることの叶わなかった、僕の双子の兄の名を。  それは、母が密かに付けた名前であった。 名を知らずとも、遠い日に、僕はそれを知っていた。 いま僕は、26歳になる。 僕と美代は、あれから翔太を授かった。 今年7歳になる翔太は、近所のガキ大将とよく喧嘩をする。 僕はその理由を聞く度、頭を撫でる。 真っすぐ育てと――。 あの日誓った、願いを込めて。
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