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「それと…現在起きている異変について、何か分かったことはありますか?」
「いや、無いねぇ…なかなか尻尾を掴ませちゃくれないらしいよ」
文と神奈子さんは、そんな話を始めた。
「あの…異変って?」
「最近、妖怪の山周辺で妖怪が行方不明になる事件が多発してるんですよ」
「天狗にも協力を依頼してるんだけど、進展がないのさ」
神奈子さんは肩を竦めながらそう言う。
「そうなんですか…っ!?ぐ…ぁあ!?」
『私の声が…聞こえますか?』
謎の頭痛と共に頭の中に声が響いてくる。
「蓮さん!?」
「どうやら、異変の黒幕が来たみたいだねぇ…」
「えぇ、趣味が悪いですね…まったく」
神奈子さんと文は外を向きながらそう言う。
神社の外にいたのは、人間の姿をした何かだった。
「少なくとも、神でも妖怪でも無さそうだねぇ」
「かえって不気味で笑えませんね、それは…」
文がそう言った瞬間、神奈子が御柱を放った。
『…………』
しかし、目の前の敵は動くこともなく、目の前に迫った御柱を黒い球体で消滅させてしまった。
「見た目通り化け物って訳かい!!」
「そうみたいですね、行方不明になった妖怪も、同じやり方で消したんでしょう」
「ぐ…ぅぅ…」
『私の声が…聞こえますか?』
「うる…さい…君が…言ってるのか!?」
「蓮さん?」
「あぁ…聞こえる!!君の声は…聞こえる!!」
そう叫びながら僕は外に出た。
「蓮さん!?何してるんですか!!」
「下がりな!!危険すぎ…っ!?」
神奈子さんが言い終わる前に、化け物は僕に一瞬で間合いを詰め、手刀を僕の腹に叩き込んだ。
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