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「が…あっ!?」
僕の意識がはっきりしてきた時には、もう手遅れだった。
「蓮さん!!」
「蓮!?」
胸をきれいに貫かれ、僕は化け物に持ち上げられていた。
「が…ァァァアアアア!?」
『私の声が…聞こえますか?』
「止めろ…その声は…ヤメロオォォ!!」
『………!?』
化け物は急に退くと、僕を投げ捨てた。
「蓮さん!?大丈夫ですか!!」
「内蔵までやられてる…これは…」
(痛い…体が、頭が…痛い…)
『私の声が…聞こえますか?』
(だから…聞こえてるって…言ってるじゃないか)
「蓮さん!!」
『おい、起きろ…こんなとこでくたばる気か?』
今度は頭の中に別の声が響いてきた。
『せっかく個体になれたのだ、勝手に死ぬ事は許さんぞ』
(何を…勝手に…)
『ふん…問答は奴を退けてからだな』
(なっ…!?)
その声の主は随分と身勝手だった、僕の体の自由を奪って…意識すら、奪ったんだから…
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