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文視点…
「蓮さん!!」
冗談じゃないですよ、約束したのに…私の名誉を傷つける気ですか!?などと頭の中でぼやきつつ、叫び続ける。
化け物の方はあれから動こうともしていない。
だから私も神奈子様も動けないでいた。
「思ったよりも深手のようだな」
「蓮さん…?」
「ちょうどいい…これを使わせてもらうぞ」
蓮さん?は風紋石を掴むと、風穴が空いた胸に当てた。
「同化と同時に傷を修復開始…」
蓮さん?が碧の結晶に包まれたと認識した瞬間結晶が弾け、中から無傷の蓮さんが出てきた。
「さて、きっちりお礼をしないとな…」
「貴方は…誰なんですか?」
思わず私はそう問いかけてしまっていた。
「俺は知っての通り、蒼崎蓮だが?それよりも文…少し力を貸せ」
そう言いながら蓮さんは手をこっちに出してきた。
「何をする気ですか!?」
「力を貸してもらうだけだ、同化してな」
同化と言う言葉がいまいち分からなかったが、化け物を倒すためにはそれしかないと思った瞬間、私は蓮さんの手を掴んでいた。
「借りるぞ…烏天狗の速さを!!」
一瞬、頭痛が私を襲った以外何もなかったのだが…
「ふん!!」
目の前では蓮さんが人間には到底出せないスピードで化け物を殴り飛ばしていた。
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