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「これは?」
「風紋石と言って風の加護が秘められているんですよ、大天狗様がわざわざ作ってくださったんです」
「これを…僕のために?」
「はい、友人の頼みでもありましたからね…それに、貴方は信用できる方です…しばらくは監視の名目で文を守護に当たらせます」
「分かりました、蓮さんさえ連れていけば取材にも…」
「構いませんよ、名目上、任は守ってくれさえすればいいです、蓮さんに幻想案内でもしてあげてください」
「わっかりました!射命丸文、任務を承りました♪」
文はものすごい笑顔でそう答えた。
「では蓮さん、ちょうどお昼ですしまずは神社にでも行きましょう!!」
「ちょ…ちょっと!?」
文は僕の手を引っ張りながら祠の外に出ていった。
大天狗視点…
「はぁ…威厳あるしゃべり方は苦手です」
「そんな事言いながらも、様になってたけどね」
私の目の前にスキマを通って見覚えのある二人が現れた。
「賢者のお仕事はよっぽど暇のようですね、結城様と八雲様…」
「あら、私はあの子を監視するついでに友人の顔を見に来ただけよ?」
そう言いながら八雲様…八雲紫はクスクスと笑う。
「僕は蒼崎蓮について」
もう一人は十賢者の一人、先代大天狗の結城翔様、名前から分かる通り外来人でありながら天狗の血を継ぐ御方です。
「風紋石は渡しましたが…あれだけでは意味がありませんよ?」
「文が神社に連れていってくれたし、大丈夫だと思う」
結城様はそうおっしゃった。
「守矢の現人神の力を使うつもりで?」
「えぇ…本人達は知りませんけどね」
「知らない間に異変に巻き込まれるほど厄介なものは無いんだけどね…今回は青崎君に同情するよ」
結城様は苦笑しながらそう言った。
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