第12話

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「先生、それ本気で言ってるの――?」 甘い声。 ノアの声。 僕の鼓膜からウィルスのように浸透し 脳味噌を溶かしてゆく。 「本気さ――。君をあの家に置いておくのは危険だ」 僕はまるで恋人にするように 指を絡めてノアの手を握った。 「だから――今晩は俺の家に来いよ」 理性が――。 これは職務だと言う。 これ以上彼に罪を犯させないために 僕は彼を保護するだけだ。
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