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◆
午後六時。新編成のメンバー――垣内さんが言うに16班と呼ばれるメンバーが集められ、浅間さんの言葉を待つ。
集まっているメンバーは私、空音さん、吉川、上野くんだ。それに助手としてだろうか、秋山さんも不機嫌そうな顔で立っている。
そして私の目の前には浅間さんが立ち、その横には車椅子に座った垣内さんがいた。
「まず、彼は昨日付でEU支部より日本北方支部16班に着任した、垣内 善治郎司令官だ。司令官、挨拶を」
浅間さんがそう固い口調で垣内さんに挨拶を促す。彼はそんな浅間さんに少々思惑が外れたのか小さく咳払いしてこちらを見据えた。
「まずはこんななりですまない。先程浅間開発部長に紹介された通り、昨日付で16班の指揮官に着任した垣内 善治郎だ。今回の計画は浅間開発部長の計画の下、鬼狩日本北方支部の戦力強化に繋がる――」
浅間さんは垣内さんの頭をガッと左手で掴み「話長えんだよ纏めろ」とドスを利かせる。秋山さんは慌てて「浅間さん! 16班の前です!」と止めに入ったが、垣内さんは「いや、確かにそうだな。手短にしよう。時間も押している」と小さく言葉を吐く。
「この計画の目的は異世界の人間の召喚、そして彼らがいた世界の知識をこちらの世界に応用することだ」
かなり手短に纏めた垣内さんに、浅間さんは「最初からそうしろよ」とようやく頭から手を離した。
「班長は吉川、お前だ」
浅間さんの声に、吉川は何かを言いたそうに一歩前に出る。
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