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部屋の中央には四つの台座の上に魔法陣が設置されており、吉川はその左端の魔法陣の上に立たされる。
「魔力の放出の仕方は訓練生時代に習ってるな? 出来るだけ一定に魔法陣に流せ」
言いながら浅間さんは魔法陣の中央にスナイパーライフルを置く。
「これは媒介だ。こちらの世界と他の世界を繋ぐ道のようなもの。この形をある程度定めておくことで――」
「よし! じゃあいくぞ!」
吉川はそう言うと魔法陣に手を伸ばす。浅間さんは「話聞けよ」とぼやいたが、垣内さんに「こういう時のお前の話は長いからな」と言い返されていた。
緑色の光が部屋中に溢れ、それに合わせて魔法陣も緑色に輝く。それは徐々に人の形を取り、光が治まった頃には朱色の髪に赤い瞳をした、スレンダーな女性が立っていた。暖かい地域から来たのだろうか、へそ出しルックだ。驚いたように目を見開いた後、腰元にあったハンドガンをこちらに――いや、目の前にいる吉川に向ける。
「ここはどこ? 貴方達は――」
「ま、まず銃を下ろしてくれよ……ほら、全員武器持ってねえから……」
ハンドガンを向けられながらも吉川はそう彼女を説得する。しかし、彼女は銃を降ろさずに私達を一瞥した。
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