誤解

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「今日の展示会、本当はすごく楽しみだったんです。 この仕事してると、誰よりも早く新作見れるから得ですよね」 本当に嬉しそうに話す槙田に、俺も微笑みながら答える。 「あー、槙田はファッションセンスいいもんなー。 いつも感心するくらいオシャレだし。 本当にファッションが好きなんだなって思うよ」 その言葉にフッと小さく笑ったあと、槙田はポツリと呟く。 「好きな人に振り向いてはもらえないですけどね…」 気まずさを感じて、俺の顔から笑顔が消える。 それに気づいたのか彼女は、 「なーんちゃって!」 と舌を出して笑っていた。
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