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「だけどさ…ある人に言われた言葉で、俺って最低な人間だったなって気付かされたんだよね」
俺の言葉に、槙田が潤んだ瞳をするすると持ち上げて来る。
「人を好きになるのに、どうしてプライドなんて気にするのか、
相手の容姿とか自分の容姿とか、そんな薄っぺらい気持ちで好きになったりなんかしないって…。
俺、その言葉聞いた時にさ…頭殴られたくらいショックだったよ。
俺ってどんだけ、ちっぽけな人間だったんだろうって思った」
そう言って、槙田に優しく笑みを落とした。
ゆらゆらと揺れる彼女の瞳に、もう一度言葉を掛ける。
「俺にそう教えてくれたのは、槙田、お前だろ？」
「…………」
「たぶん…槙田が倉田を外見だけで判断するような事を言ってしまうのは、俺のせいだから…。
槙田は本当は、そんな女じゃないもんな？」
ずっと黙って俺を見上げていた槙田が苦しそうに呟いた。
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