誤解

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展示会へ向かう車の中。 何も話そうとしない槙田に、どう声を掛けていいのか悩んでいた。 だけど、はっきり伝えなきゃいけない言葉もあるのも事実。 俺は勇気を出して槙田に声を掛けた。 「槙田、あのさ…」 「藤森部長、今日展示会終わったら」 槙田と俺の言葉はほぼ同時に被る。 「あっ…」 「ん?展示会終わったら、何?」 「あの…展示会終わったら少し時間もらってもいいですか?」 申し訳なさそうに聞いて来た槙田に、フッと微笑んで。 「ああ、いいよ。 俺も槙田とちゃんと話したかったし」 俺の言葉に槙田は小さく頷く。 きっと彼女も俺の話が何なのかは分かっているんだろう。
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