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「やっとみんな起きたみたいねー。んじゃ簡単にルール説明するよー」
ふと、上空から少女の声が降り注ぐ。
見上げるとそこには、黒い霧状の刀をその華奢な腕で担ぎながら、空中で不可視の椅子にでも座っているような姿勢で、一人の少女が私たちを見下ろしていた。
私が完全に立ち上がった様子を少女は一瞥してから、あどけないその面貌に笑顔を綻ばせ、再びその口を開いた。
「初めに、おめでとう。君たち十二人は、見事に擬人化に成功した。これが“最終試練”だ。
今、君たちにはそれぞれに力がある。それは、君たちの生き様や運命といったものを象徴し、『能力』として具現化したものだ。
此度の最終試練では、それぞれがソイツを存分に使って他の十一人を蹂躙し、優勝を勝ち取ってくれ。
優勝を果たした者には……そのまま人として生きることを許す『受肉』を捧げるとともに、一つだけボクが願いを叶えてあげる。無論、ボクの叶えられる範囲で、だけどね」
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