擬人化された十二人

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「……と、こんな感じだけど、何か質問無いかな?」 空中の少女は、自分の黒髪を指にくるくると絡ませて遊びながら、私たちに言葉を投げ掛ける。 質問。そうだ、質問を――。 しかし、私には分からないことが多すぎて、もはやどれから尋ねたら良いかも分からなかった。 そもそも、この闘いとは何なのか? “最終試練”ということは、ここに至るまでの試練というものが以前にもあったのか? なぜそれを私は覚えていないのか? 一体、私は何者なのか――? 依然として整理できない自分の脳内と、釈然としない眼前の光景に、疑念を越えて苛立ちすら覚え始めていた、そのとき。
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