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慌てて口をつぐむ女子社員たち。
「あっちに行って!邪魔しないで!」
槙田が大声でそれを追い払っている。
「部長!救急車来ました!」
救急隊員を引きつれた柏木が戻って来て、ストレッチャーに乗せられる美穂の手を俺はずっと握っていた。
駆けつけて来た澪や工藤たちと、心配そうに見つめる柏木。
「俺は美穂と一緒に行くから…あとは頼んだぞ」
そう告げて運び出される美穂と一緒に救急車へと乗り込んだ。
幸いにも呼吸はしっかりしてるようで。
「呼吸は安定してるから大丈夫ですよ、すぐ病院に着きますから」
救急隊員に肩を叩かれる。
「はい…」
頷きながらも俺は不安で、結局美穂の手を離せなかった。
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