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「…極度のダイエットによる栄養失調と貧血ですね」
「はっ?」
「ここ何日か…ほとんど食事をしていないようです」
「…………」
「栄養のつく物を食べさせてあげればすぐに回復しますよ」
「…そうですか…」
「今、栄養剤の点滴を打っていますので、これが終わったら帰っても大丈夫です」
「…ありがとうございました」
ニコリと微笑んで去って行く医師の背中を眺めながら、俺は全身の力が抜けて行くような思いだった。
…良かった…。
美穂に…何か重い病気とか…そんなのじゃなくて…本当に良かった…。
意識の戻った美穂が、ガラスの向こうでバツ悪そうに俺を見てる。
…バーカ…。
お前はそのままでいいって言っただろ…。
そう思いながら、俺は美穂に微笑みかけた。
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