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向かい合ったミーティングルーム。
「何で突然そんな事言い出した?」
俺の質問に、椎名はギュッと唇を噛みしめながら俯いている。
「ちゃんと理由言わなきゃ、退職なんて認められるワケねーだろ?」
その言葉で顔をあげた椎名は、キッと倉田を睨んだあと俺にも鋭い視線を向ける。
「私が…欲しいもの全部、倉田部長が奪うからです」
予想通りに吐き出された椎名の言葉に、俺はため息をついた。
「あのな、椎名、ここは会社だぞ?
新卒で就職して、今日までお前だって自分なりに努力して頑張って来たんだろう?
なのに、そんなくだらねー事で仕事辞めるとか、そんな程度にしかお前はこの仕事好きじゃなかったワケ?」
「くだらなくなんかないです!
大っ嫌いな人が上司だなんて、とてもじゃないけど仕事なんてしたくないです!」
感情的になって言う椎名に、ぶっちゃけ呆れる。
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