愛のダイエット

27/38
前へ
/38ページ
次へ
向かい合ったミーティングルーム。 「何で突然そんな事言い出した?」 俺の質問に、椎名はギュッと唇を噛みしめながら俯いている。 「ちゃんと理由言わなきゃ、退職なんて認められるワケねーだろ?」 その言葉で顔をあげた椎名は、キッと倉田を睨んだあと俺にも鋭い視線を向ける。 「私が…欲しいもの全部、倉田部長が奪うからです」 予想通りに吐き出された椎名の言葉に、俺はため息をついた。 「あのな、椎名、ここは会社だぞ? 新卒で就職して、今日までお前だって自分なりに努力して頑張って来たんだろう? なのに、そんなくだらねー事で仕事辞めるとか、そんな程度にしかお前はこの仕事好きじゃなかったワケ?」 「くだらなくなんかないです! 大っ嫌いな人が上司だなんて、とてもじゃないけど仕事なんてしたくないです!」 感情的になって言う椎名に、ぶっちゃけ呆れる。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

502人が本棚に入れています
本棚に追加