愛のダイエット

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優しく語りかける倉田。 だけど椎名はまだ不愉快そうな顔で、倉田を見つめる。 「だから… 私の事嫌いでも構わないから…そんな簡単に辞めるなんて言わないで欲しいの。 椎名さんがいなくなっちゃったら、可愛いらしいページを作れる人がいなくなっちゃうからとっても困る。 それはこの会社にとっても、商品を買おうか悩んでいるお客様のためにも、本当に椎名さんは必要な人なんだよ?」 優しくなだめるように椎名に微笑みかける倉田。 そんな倉田の話を黙って聞いていた椎名が、ポロポロと涙を零して泣き出した。 「…なんでっ…倉田部長はっ…」 「ね、椎名さん、 だから辞めるなんて言わないで?」 ワンワンと泣いてる椎名を、微笑みながらなだめる倉田を見つめながら、俺は言葉を失っていた。
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