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今まで俺を目当てでこの会社に来て、相手にされないと分かったらサッサと辞めて行った女を何人も見て来た。
当然、こういったガキみたいな理由で辞めたがる女には、俺はとことん冷たく当たった。
社会人のくせに、仕事より色恋を優先なんて俺には信じられなかったし。
使えない人材を引きとめる意味なんて、俺には分からなかったから。
だから俺にとって、倉田の対応はかなりの驚きだった。
「倉田部長…ごめんなさい…」
泣いて謝る椎名の隣に移動して、優しく椎名の頭を撫でてる倉田を見つめて思った。
…コイツ…
きっと子供が出来たらいいお母さんになるんだろーな…と。
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