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翌朝、エレベーターを待つ俺に、澪が声をかけて来た。
「隼人、昨日はありがとう」
「ああ、北条さんとちゃんと話し合ったのか?」
「うん、おかげさまで…一緒に暮らす事にした」
嬉しそうに微笑む澪に俺も笑みがこぼれた。
「…あんな必死な北条さん、私、初めて見たよ」
「うん、昨日の北条さんは俺が見ててもカッコ良かったと思うぜ」
ふふっと幸せそうに笑った澪を見つめながら、俺も北条さんを見習わなきゃなーと思った。
愛する女のために、周りの目も気にしないで大きな声で澪への思いを伝えた北条さん。
俺たちの年齢になったら、世間体とか気にしてしまって決して簡単には出来ない事だ。
今の俺に真似出来るかと考えたら、恐らく出来ないと思う。
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