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だけど…
今夜は、倉田に俺の思いをもう一度伝えよう。
俺は、”美穂”がいるから、俺でいられるんだって事。
容姿とか、そんなちっぽけな事でお前を好きになったんじゃないって事。
出勤して来た、倉田は今日も顔色がすぐれない。
気怠そうにパソコンの電源を入れる彼女に俺は言った。
「美穂、今日仕事が終わったらお前と話したい」
「えっ?」
初めて会社のみんなの前で、倉田を”美穂”と名前で呼んだ。
それに驚いた倉田が慌てて、椎名や工藤の方を気まずそうに見る。
「美穂、いいな。
仕事が終わったら、一緒にウチに帰ろう」
もう一度言った俺の言葉で、倉田は顔を赤くしてコクンと頷く。
「えっ??どーいう事??」
「部長?倉田さんと…?
えーーーっ?!マジっすか?!」
驚いて疑問を吐いた椎名の肩を澪がトントンと叩き、
パニックになった工藤の頭を柏木がペシっと叩いていた。
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