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汗が頬をわたり地面へと落下してゆく。
新学期がどーのこーの言ってないで早く教室に入れてくれ。
早く!!
ふと横を見ると、見知らぬ男子がいた。
あれ?この列は同じ組のはずだがこんな人は知らない。
真っ黒い髪の毛に、いかにもオタクって感じのメガネ。
誰だ?さすがに自分のクラスのメンバーの顔は一学期に覚えたはずだが・・・
首をかしげて少し考えたが、どうも思い出せないからやめた。
どうせ教室に行ったら分かる事だ。
まあ、実はこれは建前で暑い中考え事をするのが嫌なだけだ。
永遠と感じられた全校集会から開放され今はみな教室に集まっている。
あちこちから「あつい~」とか「死ぬ~」などの声が聞こえる。
「あっつ~~~!」
この教室はまだ先生が来ていないため、扇風機が起動しないのだ。
みんな下敷きやノートなどで扇ぎっこしている姿がちらほら。
「は~い。みんな席に座って~」
やっと先生が来た
とりあえずみなの第一声は
「先生!扇風機!早く!」だった。
まあ、そうだよね。
「はいはい」
先生はのろのろとした手つきでリモコンを操作する。
すると教室の4つの角にある扇風機が起動し始める。
「おお~~!」
教室にいる人たちが思わず声を漏らす。
温度は全然変わってないのについただけも涼むのだろうか?
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