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「わらわは退屈じゃ。だれか強いやつは居ぬのか。」
リリスは欠伸をしながらそう呟く。
その声がたまたま天界の水面の鏡に写し出された。
天界の最上位にいらっしゃる神様は地上の有り様をみて、リリスやリリン達の勝手な振る舞いに激怒していた。
なんとか排除せねば、地上から種族が消えてしまうだろうから任務をやり遂げてくれる者を探していた。
神様が地上にリリンやリリスを倒すための使いとして白羽の矢をたてたのは偉大なる魔法使いだった。
名前はジュノー。北米中西部の諸部族に広く浸透した神話に登場するグルスキャップである。不老不死の一族として有名である。
意外な弱点が一つだけある。それは泣いている赤ん坊に弱いことだった。
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